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源泉所得税徴収高計算書の入手方法

本記事では「源泉所得税徴収高計算書」の入手方法について記載しています。
通常、必要な源泉所得税徴収高計算書は税務署から事前に郵送等で送られてきますので、入手方法についてあまり意識する必要はありません。しかし、「源泉所得税徴収高計算書」が必要にも関わらず紛失してしまったような場合には、以下の方法で入手することが可能です。
簡潔に言えば、「税務署で出力依頼をすれば即日入手可能」という話です。

源泉所得税徴収高計算書とは?

「源泉所得税徴収高計算書」とは、給与支払時や士業等への報酬支払時に源泉徴収義務者である事業者が源泉徴収を行った所得税の納付時に使用する納付書です。(申告と納付書が一体となっています。)

↓こちらが「源泉所得税徴収高計算書」です。(見たことがあるかと思います)
※「源泉所得税徴収高計算書」には種類が複数あります。下記はその一例です。

国税庁HPより引用
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/shotoku/gensen/080623/pdf/03.pdf

源泉所得税徴収高計算書の入手方法

上記の通り、通常は「源泉所得税徴収高計算書」は事前に税務署から郵送等で必要部数が各事業者へ送付されるため、入手方法について意識する必要はありません。
本記事へ記載の入手方法は、紛失してしまったなどイレギュラーな事態が生じてしまった場合に、何とかするための入手方法を記載するものです。

なお、一部の納付書については記載事項が空欄の納付書を税務署の窓口周辺に備え付けられている引き出し等から勝手に入手可能ですが、「源泉所得税徴収高計算書」については残念ながらそうではありません。

理由を税務署へ確認したところ、

・「源泉所得税徴収高計算書」は申告と納付書が一体となった様式であるため、記載事項が空欄の「源泉所得税徴収高計算書」を気軽に渡すことはしていない。
・「源泉所得税徴収高計算書」は銀行等の金融機関での納付にも使用されるため、必要記載事項の誤り又は記載漏れがあると確認等の手間がかかるため、予め必要記載事項が印字されたものしか交付しないルールになっている。

とのことでした。納得です。
気軽に入手できない理由に納得したところで、下記が入手手順の説明となります。

入手手順①:税務署窓口にて出力依頼書を入手

「源泉所得税徴収高計算書」を入手したい場合、税務署へ出力依頼を行う必要があります。
まずは税務署の窓口へ行き、「源泉所得税徴収高計算書 出力依頼書」の様式をもらいます。

※具体的には下記様式ですが、こちらは記事執筆時点にて当事務所管轄の税務署から入手した様式です。時期や税務署により様式が異なる場合がありますので参考様式としてご覧ください。実際に出力依頼をされる際には管轄の税務署窓口でもらったものをご利用ください。

(参考様式)源泉所得税徴収高計算書 出力依頼書 ※事業者用
(参考様式)源泉所得税徴収高計算書出力依頼書 ※税理士事務所用

なお、私がインターネットで検索する限り、本記事執筆時点で上記様式は国税庁HPにて公開されていないようです。(なんで?)

入手手順②:出力依頼書へ必要事項を記載

「源泉所得税徴収高計算書 出力依頼書」の様式に従い、必要事項を記載します。
記載事項は主に下記事項です。(不明な項目があれば税務署窓口で聞けばよいです。)

【主な記載事項】
・所轄署名:ご自身又は会社の所轄税務署の名称を記載します。
・整理番号:確定申告書等へ記載されている8桁の整理番号を記載します。
・源泉徴収義務者名:法人であれば会社名、個人事業主の方であれば氏名を記載します。
・徴収高計算書種類:「源泉所得税徴収高計算書」には複数種類がありますので、必要なもの選択します。
・納期特例の有無:「源泉所得税の納期の特例」の制度を受けているかどうかです。半年毎納付の方なら特例「有」、毎月納付の方なら特例「無」です。
・必要部数:書き損じのリスクに備え予備を含めて出力依頼しましょう。

入手手順③:出力依頼書を提出し入手する

必要事項を記載した「源泉所得税徴収高計算書 出力依頼書」を税務署へ提出します。
内容に誤り等が無ければ、「源泉所得税徴収高計算書」へ必要事項を印字してもらい、数枚であればその場で出力・交付して頂けると思います。

なお、出力依頼書の様式にも記載がある通り、郵送交付希望や日付指定の交付希望も可能です。その場で欲しい方はあまり大量の枚数を出力依頼しないか、事前に税務署窓口担当者へ確認されることをオススメします。

源泉所得税徴収高計算書を入手したら

無事に「源泉所得税徴収高計算書」を入手できれば、支払年月日や人員数、支給額、税額等の必要事項を記入し、税務署窓口や金融機関で納付をしましょう。(ここが最も重要です。)
なお、「源泉所得税徴収高計算書」の記載方法は下記が参考となります。

【参考リンク】
国税庁HP:所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた
国税庁HP:源泉所得税の納付書兼所得税徴収高計算書の様式について(事務運営指針)

本記事は以上です。お読み頂きありがとうございました。<(_ _)>

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